生活の豆知識
省エネルギー設備や新エネルギー設備、石油代替エネルギー設備など の導入を税制面から支援する「エネルギー需給構造改革投資促進税制(以下『エネ革税制』)」が創設されたのは平成4年度のことです。
当初は時限付措置でしたが、実際の運用を通してその有効性が認められ、平成16年度の税制改正においてもさらに2年間延長されることになりました。
このエネ革税制の優遇措置を活用することは、空調・冷熱設備の新設・更新を計画している施主様に大きなメリットをもたらします。
エネ革税制対象設備を直接購入し、1年以内に事業の用に供した場合、減価償却資産の特別償却または税額控除ができます(どちらかを選択できます)。ただし税額控除の対象は中小企業者のみ。
※中小企業者とは、大企業の子会社等を除く資本金1億円以下の法人または資本・出資を有しない法人のうち従業員数が1,000人以下の法人。個人事業者においては従業員数が1,000人以下。
□適用期間…平成16年4月1日~平成18年3月31日
□優遇措置…30%の特別償却または7%の税額控除
(他の租税特別措置との重複適用は認められない)
□特別償却…基準取得額の30%
□税額控除…基準取得価額の7%(中小企業者等)
※計算の基礎となるのは基準取得価額で、電気・ガス需要平準化設備の場合は、
基準取得価額=取得価格×50%です。
□適用対象者…青色申告を提出する法人または個人。
省エネルギー性が高く、高効率な設備が対象となります。主な分類は下記の通りです。
□エネルギー有効利用製造設備 (格子状コンベアー搬送乾燥装置など11設備)
□エネルギー有効利用付加設備 (廃熱利用高効率吸着式冷凍機など24設備)
□電気・ガス需要平準化設備 (蓄熱式空調・給湯装置など6設備)
□新エネルギー利用設備 (太陽熱利用集蓄熱装置など22設備)
□その他の石油代替エネルギー利用設備 (地方ガス天然ガス化設備など10設備)
※このうち「電気・ガス需要平準化設備」に分類される蓄熱式空調・給湯装置および深夜電力利用型蓄熱式暖房装置の適用条件の要約は以下の通りです。
(1)蓄熱式空調・給湯装置
・熱源装置と蓄熱槽を同時に設置する場合
・蓄熱槽と自動調整装置を同時に設置する場合
熱源装置はヒートポンプ方式または冷凍機に限る。氷蓄熱方式で空調を行う場合は室内機を含む。
蓄熱槽は 空調用30m3以上、給湯用10m3以上(産業用温水利用を除く)のものに限る。
専用のポンプ(熱源装置と蓄熱槽との間の冷水・温水を運ぶためのものに限る)と
配管(熱源装置から蓄熱槽までの間のものに限る)を含む
(2)深夜電力利用型蓄熱式暖房装置
発熱抵抗体の定格消費電力が10kW以上のものに限る。同時に設置する
専用の自動調整装置、受電装置、分電装置を含む。
エネ革税制の制度上の留意点は下記の通りです。
○対象設備を直接取得した場合にのみ適用が受けらます。リース契約による場合には適用されません。
○取得設備を取得後1年以内に当該法人の事業の用に供した場合に適用されます。貸付の用に供した場合には適用されません。
○税額控除を適用する場合、税控除額は当期法人税額の20%が上限となります。
○税額控除不足額、特別償却不足額は一年繰り越しが可能です。
○他の租税特別措置との重複適用は認められません。
○エネルギー有効利用製造設備等、エネルギー有効利用付加設備等、電気・ガス需要平準化設備等については、証明制度があります。
○税額控除の適用は中小企業者*等に限る。(*大企業の子会社を除く資本金1億円以下の法人または資本・出資を有しない法人のうち従業員数が1,000人以下の法人。個人事業者においては従業員数が1,000人以下のもの)
※この制度についての詳細なお問い合わせは所轄の税務署へお尋ね下さい。
この対象設備の取得価額には、告示等に具体的に規定されている設備等の購入代金(購入手数料を含む)または製作費(原材料費、設備費、製作に従事した従業員の賃金、手当、福利厚生費等を含む)に加えて、
1. 企業の経理において取得価額に算入した借入金の利子(減価償却資産の購入または建設、製作、製造等のための借り入れ資金の利子で、当該資産の使用開始前の期間に係わるもの)
2. 引取運賃、荷役費、運送保険料
3. 据付費
4. その他の直接費用
を含むと解されている。
※具体的な直接費用の対象範囲は、所轄の税務署の相談窓口で確認してください
1. 特別償却
法人の場合、確定申告書に法人税申告書の「減価償却資産の償却額の計算に関する明細書」(償却方法により用紙が異なる。)を添付し、さらにその明細書として付表の添付が必要である。
2. 税額控除
対象設備の取得等をし、その事業の用に供した事業年度の青色申告書による確定申告書に、
(イ) その控除を受ける金額の申告の記載があり、かつ
(ロ) その金額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り認められる。
また、繰越税額控除限度超過額の控除については、
(ハ) 供用年及びその翌年分の確定申告書に繰越税額控除限度超過額の明細書が添付され、かつ
(ニ)控除を受けようとする事業年度の確定申告書にその控除を受ける金額の申告の記載及びその金額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り認められる。
※実務上の留意点
以上、経理部門においては、上記申告書及び明細書を作成するためにあたって設備部門より、1.いつ取得し、いつ事業の用に供したかがわかる納品書、契約書、作業日報書等の原始記録を取りよせ、2.取得価額のわかる見積書、契約書、領収書等といっしょに一連のファイルとして後日の参考とするのがよい。
なお、「エネルギー需給構造改革推進設備仕様等証明制度」に基づき証明書が発行されるので、税務当局の参考のために添付するとよい。